株式会社JMDCと京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野による共同研究の成果が、下記の学術雑誌に掲載されましたので、お知らせいたします。

■学術雑誌
Journal of General and Family Medicine
(日本プライマリ・ケア連合学会による英文誌。PubMed収載)

■書誌情報
Katsuhiko Nagai1, Takashi Tanaka1, Norihisa Kodaira1, Shinya Kimura1, Yoshimitsu Takahashi2, Takeo Nakayama2. Data resource profile: JMDC Claims Databases Sourced from Health Insurance Societies. J Gen Fam Med. 2021.
https://doi.org/10.1002/jgf2.422. [Epub ahead of print]. 
1 JMDC Inc., Tokyo, Japan
2 Department of Health Informatics, Kyoto University School of Public Health, Kyoto, Japan

■研究概要
株式会社JMDCは、日本の健康保険組合から収集されたデータに基づくデータベースを構築しています。このデータベースは、組合加入者台帳・レセプト・健康診断結果から構成されます。レセプトは2005年からデータベース化されており、 2020年6月末時点では約980万人のデータが集積されています。2020年6月末時点では、疫学分野を含む約250の研究論文において、このデータベースが用いられています。

健康保険組合をデータソースとするデータベースの特有性として、

  • ・追跡性(縦覧性):同一健康保険組合に在籍している限り、匿名加工された個人IDを用いて追跡できること
  • ・網羅性:複数の医療機関を受診した場合でも、受診や治療が網羅的に把握できること
  • ・母集団を把握できること

が挙げられる一方で、

  • ・傷病名は診療報酬請求目的の名称として記載されているため、傷病の定義には工夫が必要になること
  • ・病状や医療機関における検査結果は確認できないこと
  • 65歳以上のデータは相対的に少なく75歳以上のデータは存在しないこと

には留意が必要です。
加えて、公的データとの比較を通してこれらの特性の定量的な評価も行いました。

■共同研究者
京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野
教授 中山 健夫 先生
准教授 高橋 由光 先生