JMDC

2022年ニュース

2022-12-23
JMDCとLayerX、医療データのプライバシー保護に関する共同研究を開始〜医療・健康分野における個人情報保護・プライバシー保護の更なる厳格化を推進〜

株式会社JMDC(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:松島陽介、以下「JMDC」)と株式会社LayerX(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:福島良典、以下「LayerX」)は、JMDCが保有する医療データにLayerX が提供する最先端プライバシー保護技術「Anonify(アノニファイ)」を適用し、医療・健康分野においてより堅牢なデータプライバシー保護に関する共同研究を開始することといたしましたので、以下のとおりお知らせいたします。

1.本共同研究の背景
近年、医療・健康分野におけるデータ利活用において、自治体や健康保険組合加入者の健康増進に向けた取り組みや、医療機関や製薬企業における研究開発に向けた取り組みが益々活発化しております。加えて、厚労省が健康・医療・介護分野での情報利活用の検討を進めていることと併せて、次世代医療基盤法の見直しについても活発な議論が行われています。海外においては、欧州委員会が欧州医療データ空間を創出し、研究開発等での活用を認める法案を発表している等、研究開発や政策立案などの分野における医療データの利活用について、制度化の動きが見られます。他方、医療データは患者の身体や病気に関する機微な情報を含んでいるため、医療・健康分野のデータを有する企業は、より堅牢な個人情報保護・プライバシー保護の確立に向けた取り組みが求められております。そのため、JMDCにおいても、より一層堅牢なプライバシー保護の実現に向け、最先端のプライバシー保護技術「Anonify(アノニファイ)」を提供しているLayerXとの間で、医療・健康分野におけるプライバシー保護のあり方について、従前より検討を重ねてまいりました。
JMDCとLayerXは、本共同研究を通じ、医療・健康分野におけるより一層の個人情報・データプライバシー保護の実現を推進してまいります。

2.本共同研究の内容について
医療・健康分野におけるデータ利活用においては、データを安全に加工する上で、「なぜ安全と言えるのか」といった説明責任を果たすことが求められております。国内の従来のデータ加工においては、ガイドラインなどに基づく「ルール・ベース」での加工が一般的ですが、今後は「定量的に匿名性が検証できない」ことの他に、「データの種類や用途が多様化する中で、匿名性担保に非効率性が残る」「匿名性を担保したまま解析に活用し得る可能性があるにも関わらず、削除されており提供出来ていない属性情報等がある」等の課題が生じる可能性が想定されます。そこで、本研究では、LayerXが有する「プライバシー保護データマイニング技術」により、プライバシー保護における説明の妥当性を、従来の「ルール・ベース」に加え、より数学的にプロセスの妥当性が説明可能なものへと高めていくことを目指してまいります。

【株式会社LayerXについて】
LayerXは、「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げるSaaS/FinTechスタートアップです。法人支出管理サービス「バクラク」を中心に、デジタルネイティブなアセットマネジメント会社を目指す合弁会社「三井物産デジタル・アセットマネジメント」、プライバシー保護技術「Anonify」で組織横断のデータ利活用を目指すPrivacyTech事業などを開発・運営しています。
URL:https://layerx.co.jp/

【Anonifyについて】
Anonifyは、世界中で進む先端的なプライバシー分野の学術研究を土台に、実務的なデータ利活用に応用できるようLayerXが独自に開発した様々なアルゴリズムから成るプライバシー保護技術です。近年、欧米を中心にプライバシー保護技術のスタンダードになっている「差分プライバシー」等の技術を用いて、柔軟な統計分析や高度な統計モデル、機械学習を実現します。

【プライバシー保護データマイニングについて】
データに関する個人のプライバシーを保護しつつ、データから有用な情報の抽出を試みるための技術の総称です。匿名化の他、差分プライバシー、秘密計算などが含まれます。

news20221223.pdf