JMDC

2022年ニュース

2022-10-11
2型糖尿病重症化予防に寄与する、新たなオンライン主体の教育・体験型改善プログラム「KiDuKi」 JMDC、ハビタスケアが筑波大学内分泌代謝・糖尿病内科と共同で進める臨床研究の最新の成果を第44回日本臨床栄養学会総会において発表いたしました

≪本リリースのポイント≫

  • 筑波大学内分泌代謝・糖尿病内科(研究代表者: 矢作直也准教授)、株式会社JMDC、株式会社ハビタスケアは、共同で2型糖尿病重症化予防のための新たなオンライン主体の教育・体験型プログラムを開発し、意欲的な保険者様への導入と継続的な改善を進めています。
  • この度、3者で進めてきた臨床研究において介入1か月後のHbA1c値について有意な低下がみられ、10/8(土)~10/9(日)に盛岡にて開催された第44回日本臨床栄養学会にて成果を発表いたしました。
  • 今後は、既に導入あるいは検討を進めていただいている意欲的な企業/企業健保をはじめとして、自治体、医療機関等、多様な場での提供、データ解析と解析結果に基づくサービスとしてのブラッシュアップを通して、糖尿病重症化予防へのより本質的な寄与を目指してまいります。

≪本リリースの詳細≫
1.背景
先般より、2型糖尿病の重症化予防及び透析移行予防に関しては、患者本人のQOLへの影響と医療費へのインパクトの大きさから、医療現場のみならず保険者や自治体等、多くの関係者によって取組の強化が進められています。医療によるサポートが中心かつ重要な役割を持つ一方で、食や運動をはじめとした生活習慣の改善が最重要な方策の一つとの共通認識が広がってきたところであり、様々な検討が進められています。
また、一方で、IT技術の進展をはじめとした各種テクノロジーの発達により、教育入院をはじめ医療現場での多くのプログラムや仕組みの中でこれまで行われてきた患者への教育や体験による行動変容について、新たなアプローチを付加することによる効率的な介入の可能性が広がってきました。

図表 1. 糖尿病重症化予防の必要性

2.教育・体験型改善プログラム(KiDuKi)の概要とこれまでの検討
筑波大学内分泌代謝・糖尿病内科(研究代表者: 矢作直也准教授)、株式会社JMDC(代表者: 代表取締役 松島陽介)、株式会社ハビタスケア(東京都港区、代表者: 代表取締役 徳渕慎一郎)は3者共同で、これらにウェアラブル、CGM、ヘルスケアアプリなどの各種ICTデバイス、さらには宅配食やオンライン教育と専門職による指導を組み合わせた総合的な教育・体験型プログラムを開発し、そのプログラムによって得られる価値に基づき、KiDuKiと命名しました。

3.これまでの成果報告
3者共同で進めてきた臨床研究の成果を、今年5月に神戸にて開催された第65回日本糖尿病学会年次学術集会にて口頭発表いたしました。その際には統計的な差はみられなかったものの、対象者の多くで平均血糖値、HbA1c、体重において改善傾向がみられ、数か月の効果の持続も観察されたことから、持続的な患者の行動変容が実現できる可能性を報告いたしました。
(第65回日本糖尿病学会年次学術集会 一般演題 口演91 「糖尿病療養指導:患者教育技法 2」)

4.今回発表する成果の詳細(学会発表内容に基づく)
今回、筑波大学病院及び調布東山病院において、主治医の許可及び管理のもと、2型糖尿病の患者を対象に本プログラムを提供し、各種診療及び生活習慣に関するデータを分析し、その成果を10/8(土)~10/9(日)に盛岡にて開催された日本臨床栄養学会にて発表いたしました。
(第44回日本臨床栄養学会総会 ワークショップ4 栄養指導のDX(デジタルトランスフォーメーション)

介入後1ヶ月後については、予定症例数であるn=15に対する解析まで実施いたしました。また、今後のプログラムの改良や適用できる場の拡大につなげるべく、詳細な症例検討を実施しました。これまでに計15人の患者で同意が得られ、そのうち14人が介入プログラムを完遂し、これを解析対象としました。
結果としてうち13名で解析可能なCGMデータが得られ、いずれもプログラム期間中の平均血糖が介入前より改善しておりました。また、HbA1c値については、1ヶ月後に対象14名について有意な改善効果を認め、HbA1c値変化の平均は1ヶ月後で-0.5%の高い改善傾向が観察されました。
介入後3ヶ月、6ヶ月のデータについては継続解析中であり、詳細な症例検討から、今後のプログラム改善に寄与する多くの示唆が得られております。

図表 2. KiDuKiの構成要素

図表 3. 本研究の試験デザイン

5.今後の展望
本臨床研究については継続的な解析を進めているとともに、今後も引き続き学術研究としても症例を積み重ねていく予定です。
また、既に意欲的な企業/企業健保様においては導入を始めていただいており、学術的な検討と並行してサービスとしての展開も進めてまいります。
今後は、研究の進展と実際の重症化予防での活用を並行し、医学的・薬学的エビデンスに基づいた裏付けのある重症化予防に向け、より具体的な貢献を目指してまいります。

図表 4. 今後の展望

図表 5. KiDuKiコンセプトシート

■学会発表詳細
【題 名】
2型糖尿病重症化予防のための食事を中心としたオンラインデジタル教育・体験型プログラム「KiDuKi」

【筆頭著者・発表者】
徳渕慎一郎
株式会社ハビタスケア 代表取締役
(兼)株式会社JMDC 公共政策・産学連携本部
(兼)東京大学大学院薬学系研究科 共同研究員

【学会名】
第44回日本臨床栄養学会総会 第43回日本臨床栄養協会総会 第20回大連合大会
ワークショップ4 WS4-3 「栄養指導のDX(デジタルトランスフォーメーション)」

【発表日】
2022年10月8日(土)

■株式会社ハビタスケア (JMDCグループ)
URL   :http://www.habituscare.co.jp/
代表者  :代表取締役 德渕慎一郎
本社   :〒105-0012 東京都港区芝大門1-1-21 成和大門ビル6階

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