入院日数分布調査

株式会社日本医療データセンター(JMDC)とミリマンは、2012年に発生した入院に 対して入院日数の分布の調査を行いました。下の図は、生活習慣病患者について、入院を所与として、ある日数以上に入院している患者の割合を図示したものです。

入院日数の分布(生活習慣病)

この図によれば、例えば、2012年に発生した入院の中で、168日以上入院している患者の割合は1%になります。

2012年は、2011年に比べて入院日数が短くなっています。
例えば、180日以上入院する長期入院患者の割合は、1.19%(201 1年)から0.91% (2012年)に減少しています。
下の図は、その減少の要因を、年齢分布(性別・年齢別の入院数分布)の変化によるもの、疾病分布(疾病の種類月1]の入院数分布)の変化によるもの、その他の要因(年齢分布の変化にも疾病分布の変化にもよらないもの)の3種類に分けたものです。
これによれば、年齢分布の変化や疾病分布の変化による影響はごく僅かです。
これは、年齢ごと疾病ごとに見て、長期入院患者の割合が減少傾向にあることを示唆しています。

手法の詳細

データソースとしては、日本医療データセンターの健康保険組合のレセプトデータから、悪性新生物、糖尿病、心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病と診断されている入院データを用いました。
サンカレ数は20,747入院(2011年)および25,570入院(2012年)でした。
データソースが健康保険組合であることから、国民と比べて65歳以上のデータカ沙ないことにご留意ください。
2011年、201 2年とも、翌年6月末までを観察期間としました。
入院の途中で健康保険組合から(死亡以外で)脱退または観察期間が終了した場合は、打ち切りデータとしました。
累積在院割合とその95%信頼区間は、力プランマイヤー法によるSASのproc lifetestを用いて計算しました。

入院日数n日の累積在院割合は、入院日数がn日以上の入院件数+全入院件数として定義しました。
生活習慣病を原因とする入院日数月Ii累積在院割合の最良推定値と95%信頼区間は次の表のようになりました。

入院日数別累積在院割合の平均と95%信頼区間

悪性新生物、心疾患、脳血管疾患の入院日数の分布は下の図のようになりました。

【JMDCについて】

日本医療データセンターはレセプトデータ分析をはじめとする、医療統計データサービスを提供しています。
健保組合等の保険者、大学等研究機関、製薬メー力一、保険会社などの幅広い分野の顧客を対象に、保健事業支援や医薬品の安全性評価、医療経済分析、保険商品開発支援など、顧客の事業活動のあらゆる領域において分析サービスを提供し、社会における生活習慣病などの予防や、将来医療費の抑制等に貢献しています。

【ミリマンについて】

ミリマンは、アクチュアリー分野およびその他分野を専門とする世界最大の独立系コンサルテイング会社のーつです。
世界の主要都市にオフイスを構え、生命保険・金融サービス、損害保険、ヘルスケア、リスクマネジメントの各分野でコンサルテイングサービスを提供しています。

久野芳之(JMDC)
03-5733-501 1 またはykuno@jmdc.co.jp
岩崎宏介(ミリマン)
03-52 1 1-7127 またはkosuke.iwasaki@milliman.com